平成31年度、日本犬保存会定時総会をホテルジュラク(千代田区神田淡路町2-9)で平成31年2月11日に開催しました。
開催に先立ち本会、岸信夫会長より次のようなあいさつがありました。

 

岸会長: 皆さま、こんにちは。大変お忙しいところ、また今日は雪も少し降っているようでお足元も悪い中、総会にお越しいただきましてありがとうございます。昨年、皆さまからご推挙をいただいて歴史と伝統のある公益社団法人日本犬保存会の会長を拝命しました岸信夫でございます。浅学菲才の身ではございますけれども、会の発展のため、そして会員の皆さまのため、そして何より犬たちのためにしっかり力を尽くしてまいる所存でございますので、ご理解とご協力をお願いしたいと思います。

現状と組織改革:

 日本犬保存会は諸先輩方のご尽力によりましてこれまで発展を遂げてまいりました。しかしながら、近年では会員数の減少や登録件数の減少に直面しています。このままでは本会の存続および会の目的であります日本犬の種の保存に支障をきたすことも危惧される状況になっていると思います。この現状は何より本会のまさに執行部であるわれわれ理事や審査員など、役員一同が重く受け止めなければならない事態だと思っておりまして、自ら襟を正して組織力の回復に努めてまいります。
 昨年、私が会長に就任して以来、理事会あるいは全国展でもお話をさせていただいたように組織改革を早急に進めてまいります。

理事会の意識改革:

 理事会は本来、日本犬保存会の運営・推進の核となる存在のはずですが、正直申し上げて十分機能しているとは言いがたい状況ではないかと思います。透明性の確保、そして会員に対する説明責任をしっかり果たしていくために理事の皆さんにも意識を変えていただかなければなりません。会の運営について理事の皆さんにも役割と責任を分担していただこうと思っています。常任理事や理事の皆さんが一つになり、会員の皆さまの信頼をいただいて日本犬保存会の強力な運営推進母体になれますようにしっかり改革を進めてまいりたいと思います。
 先日、インターネットでいわゆる「2ちゃんねる」等の書き込みを見ました。まさに炎上しているというような状況でした。理事や審査員による犬の売買あるいは仲介に関わること、展覧会の審査における不正の問題、反社勢力との不適切な関係、さらには理事会そのものに対する批判などたくさん出ておりました。私はこの一つ一つに対して反論することは致しません。全てが事実とは言いがたい、一方的な言い分による誹謗中傷も散見されるからです。
 しかしながら、一方で全てがうそや偽りとも言いがたい状況です。要は疑われているようなことが数多くあるということです。このような状態そのものが会の品位を落としている、あるいは落としかねないわけですから、そういう観点からも組織のあり方を変えてまいりたいと思っています。
 まず、理事や審査委員、そして支部長などの皆さんは見識や人格において全ての会員の模範であるべきだと考えています。そこが批判されていること自体、大変残念な状況です。そこでまず、李下に冠を正さずと言います。理事と審査員の犬の売買仲介はこれを現に慎むべきと考えています。作出犬の譲渡についても一定の制限を加えることを含めて役員や審査員の規範について理事会で今後取り決めてまいりたいと思います。

反社会的勢力との決別:

 反社会勢力の排除について私は昨年から取り組んでまいりました。今後、日本犬保存会は生きた文化財、日本犬の保存・育成する事業を多くの国民、そして世界から認知していただいて、後世に継続、継承できるように、そして公益認定を受けた法人として社会に日本犬の保存活動の重要性を広く浸透させるためにも反社会的勢力との決別は必要です。皆さんにも反社勢力でないことの表明をお願いしているところですが、残念ながら事務局に届いているのは全体の7割強程度です。今年の会費納入、すなわち本年度の会員資格の延長にあたっては厳格にチェックをして、表明書を提出いただけない場合、あるいは虚偽の表明が明白となった場合は退会とさせていただきます。

会員とのつながり:

 会誌やインターネットのホームページがございます。これは各会員と本部をつなげる大変重要なツールです。しかし、これまでの会誌を見ていると、一般の会員にはあまり面白みのない内容になっている気がいたします。ホームページは会員や一般の愛好家の方々に日本犬に対する正しい理解をしていただく、さらには新規入会につなげていくための重要なインターフェースですが、これも同様です。
 皆さんはホームページをご覧になったことがありますか。トップページを開けると、犬の姿はどこにもありません。写真は1枚も載っていません。あるのは富士山です。これでは何のホームページか分からない。これでは魅力的とはとても言えないわけです。また、FacebookやInstagramといったSNSも活用して、広報ツールをより広く効果的なものにしていきたいと考えています。会員からの投稿も活用させていただければと思いますので、多くの方々に愛され、理解される日本犬保存会にしていきたいと思います。
 皆さまもご存じのとおり、秋田犬保存会でもわれわれに先んじてさまざまな組織改革を進めていただいているわけですが、新しい会に生まれ変わってきているわけです。今日はその先頭に立って戦っていただいてる遠藤敬会長をアドバイザーとしてお迎えして、理事会などで貴重なご意見を賜っているところですのでご紹介したいと思います。
 遠藤アドバイザー: 皆さん、こんにちは。ご紹介を賜りました岸議長、また理事会のご承認を賜りまして日本犬保存会のアドバイザーに就任させていただきました、秋田犬保存会の会長を務めております遠藤敬でございます。
 岸議長より縷々ございました。今まさに日本犬保存会も秋田犬保存会も同様ですけれども、組織がどうあるべきか、また会員さんからどう見られているのかという時代になっています。われわれ秋田犬保存会もご存じのとおり、決して世の中から評価されるものではありませんでした。それをどう変えていくかというのが執行部であり、今日ご参加の代議員の皆さん方ではないかと考えています。
 われわれが今考えているのは、展覧会をオンリーで進めている秋田犬保存会から女性部会をつくって、いろいろなところに広場をつくったり、場面場面では女性の皆さんにどんどん前に出ていただいて日本犬と触れ合っていただく。そういう環境の整備、それから会報の中身を変えていく。会員報だけでもいいから会員になりたいという会員さんも実際いらっしゃいます。犬は飼えないけれど日本犬保存会に入りたい方もたくさんおられる。そういうニーズに応えていく組織を改革していく。
 そのために役員各々の立場、自覚。90年余りの歴史を有するこの日本犬保存会が会員のみならず、会員のもう一つ外側の公益法人としての認識、そしてあの会に入りたいなと思われる会をつくっていくために今進めなければ、わが会としても、日本犬保存会も同様に厳しい状況になることは言うまでもありません。
 まさに愛護法の問題も先ほどの理事会で申し上げましたが、極めて厳しい状況になってくることは友好団体として共に共有しながら、公益法人、また日本犬保存会のいいところ、悪いところの取捨選択をして、皆さん方から期待をされる、より透明性の高いものにしていく。そのためには理事会、また審査部員の皆さんも一緒になって、ちょっと厳しいかもしれません。
 ご存じのとおり、私も35年間ブリーダーをしていましたので気持ちはよく分かります。しかし、われわれだけが納得感が得られればそれでいいという時代はもう過ぎたということで、秋田犬保存会の皆さん方にも厳しく対応させていただいて、審査部員の皆さん方にも応えてもらえるように努力をする。そのためには執行部や理事者が襟を正す。
 申し訳ないですが、秋田犬保存会も私が就任する前は年に12回も理事会をしていて、ほとんどの会費が理事会で消えていった。そんな時代もありました。今は年に4回、2時間きっちりで終わらせて、それよりも中身のことで会員の皆さん方にちょっとでも期待される、また透明性を高めて協力していただける。「あれは理事会がやっているんでしょう」「執行部がやっているんでしょう」「各団体の支部長、副支部長がやっているんでしょう」「専務さんがやっているんでしょう」と思われないようにいかに参画していただけるかという仕掛けを今後考えていくべきではないかと考えています。
 ぜひ積極的な関わりの下で、新しいリスタートを切っていただいて、これからの日本犬保存会の将来・未来を反映する。そういった組織改革に考えのスイッチをぜひ変えていただいて、これからの世界に向けた将来の日本犬が世界でも反映される。日本の国のことを考えてばかりでは駄目なんですね。いまヨーロッパでも日本犬がブームになっています。そういったものにどうチャレンジすれば世界の皆さん方にも応えられる、耐えうる組織になるかということだと思います。私も微力ではありますが、友好団体として全面的に協力してまいりますのでどうかよろしくお願い申し上げます。

結び:

 岸会長: ありがとうございました。今年は平成最後の年となっています。5月1日には皇太子殿下が新しい天皇になって、平成は新たな世に引き継がれてまいります。日本犬保存会も新時代にふさわしい会にしていかなければなりません。私が述べましたように、会員の皆さまから信頼されるように、そして日本犬愛好家の皆さんから広く愛される会にしていくようにぜひ皆さんと一緒に新しい時代をつくっていこうではないですか。どうぞよろしくお願いいたします。今日はどうもありがとうございます。引き続きご理解とご協力をお願いいたします。