柴犬shibainu

柴犬(しばいぬ)

日本犬の中で唯一の小型犬種です。6犬種の中では、人気が継続している犬種で、小さい身体の中に日本犬の特徴を充分に備えて、現在日本で飼育されている日本犬種の80%位を占めています。

きりっと軽快で、才気のある犬種です。
柴犬という呼び名は中部山岳地方で使われたもので、昭和11年(1936年)12月、国の天然記念物に指定されました。
柴犬の性格は小型でほどよい大きさ、その姿のなかには気迫と威厳が感じられます。すなおで従順、素朴でありながら気品も備えています。
もともとは、鳥や小さな動物を捕えるための狩猟犬として飼育されていました。独特の総合的な判断能力と軽快な動作は、たまらない魅力といえます。一連の行動のなかで、自分の体力の限界を自覚しているのではないかと思えるほど理知的な面と、人間に対する細やかな気働きを見せ、日本国内はもちろんのこと、外国でも高い評価を受けています。

総体的に頭の良い犬で飼い主の気持ちを読んで行動します。雄犬と雌犬を比べると、雄は外へ向かう気持ちが強く、雌犬は家族の気持ちを敏感に汲み取るやさしい傾向があります。

標準サイズ

体高:39.5cm(38cm〜41cmの間)
体重: 9kg〜11㎏位

体高:36.5cm(35cm〜38cmの間)
体重:7〜9㎏位

※体高:足元から肩までの高さ

毛色

主な毛色は、赤毛、黒毛、胡麻毛の三種類です。


日本犬の世界では、茶の毛色を赤毛といっています。柴犬は、この赤毛が多く、80%位を占めています。


黒毛は、目の上部に白っぽい四つ目という斑点があります。
胸もとや腹、足の裏側部分と足先、尾の裏側などは、裏白という白毛で、毛色のコントラストは深味があります。

胡麻
胡麻毛は、赤毛に黒毛が混ざったもので、黒毛犬と同様の白毛の部分があり、渋みのある毛色です。この他、白毛の柴犬も少数存在しています。

柴犬の歴代名犬

石号
中号

柴犬を代表する名犬の2 頭です。
柴犬の戦後中興の祖と言われる中号(なかごう)と、中号の曾祖父犬にあたる石号(いしごう)です。
現在登録されている年間3 万頭の柴犬は父系の血統を遡ると石号に行き着くことになります。

豆柴について

豆柴、小柴及びそれらの類似名称犬について、日本犬保存会では「豆柴」と明記した血統書は発行していません。
柴犬の標準体高は昭和9年(1934年)9月に制定されました。
雄犬の標準体高は39.5cmで38cmから41cmの幅を、雌犬は36.5cmで35cmから38cmの幅を認めています。(体重は雄は9kgから11kg前後、雌は7kgから9kg前後です。)
昭和初期の頃、絶滅寸前になっていた日本犬を残そうとして全国各地において地の犬の調査を行い、残存した優秀犬や犬に関する文献などを参考にして小型犬(柴犬)、中型犬(紀州犬・四国犬・甲斐犬・北海道犬)、大型犬(秋田犬)の三型に分類して保存することにしました。
以来現在に至るまで、柴犬の体高は理想的なものとして守られ定着しています。
ところが十数年前の頃より豆柴・小柴あるいはミニ柴等という名前を聞くようになりました。
柴犬の実体を知らない人達の間で豆柴という言葉が先行しているきらいがありますが、犬の体格というものは人為的に比較的容易に変えられるもので洋犬種の中にはミニ化された犬種が結構みられます。
これらと同様な考えで柴犬を矮化し小さくするという行為は柴犬を正しい姿で固定化し、後世に伝えるという本会の主旨を根底から覆すもので、柴犬が持つ日本犬としての本来の姿を否定するものです。
そしてこれらの豆柴と称される犬達があたかも希少種であるかのように、一部では広告され喧伝されていて、柴犬のことを深く知らない方々から問い合わせや苦情も寄せられています。これらのものは本会が定めた日本犬標準、登録規定に反し、尚かつ日本犬の血統をも混乱させるもので、規格外の体高不足犬ということで日本犬保存会として公認することはありません。